南大西洋上の孤島、セントヘレナ島
赤道の南1537キロ、アフリカ南西岸から1930キロの南大西洋上にある火山島で、英国の戦略要地です。気温は18〜29°Cで温暖な気候です。面積122平方キロ。人口6843人(96年)。政庁所在地はジェームズタウン(Jamestown)。宗教は英国国教会。通貨はセントヘレナ・ポンドと英国ポンド。言語は英語です。
1500年台、ヨーロッパとインドとの貿易の帰路に当たり、「大洋の宿」として栄えました。当時、港はいつも50艘を下らない船が補給のため2・3週間碇泊していたそうです。
ヨーロッパ近世の頃、フランス皇帝ナポレオン1世がエルバ島から戻ってのち、1815年ワーテルローの戦いで、イギリスの将軍ウェリントンに敗れて百日天下に終わったあと、二度とフランスへは戻れないようにと、このイギリスの管理下の離れ小島に流刑になり、1821年5月5日生涯を閉じることとなった地です。1840年、フランス人の願いによって大きな式典とともにパリに改葬されました。
世界地図の大西洋のページを見てもらえばわかると思いますが、この島の周囲は何もなく、ただ広い海が広がるだけです。よほどしっかりした大きな船でもない限り、脱出が不可能な島です。
専門的に言えば、大西洋中央海嶺と呼ばれる、プレートが地球内部から地表へとすべり出してくるところにできた海底山脈のひときわ高い山頂の一つが海からせり出したのがこの島なのです。何かあったら逃げ場のないようなこんな孤島に、よくも人が住んでいるものだと思います。寂しくならないんでしょうか?
島内には、ホテルが3軒有りますが空港はありません。島へは、イギリス・カーデチイフとアフリカ・ケープタウンから客船で行くことが出来ます。